当院の脳ドックの特徴
日本脳ドック学会ガイドライン準拠の検査
脳神経内科が総合的に診察します
脳ドックの目的は、特に症状がない状態で、知らないうちに発生しているかもしれない脳の病気を早期に発見することです。
また、脳卒中・動脈硬化を起こしやすくなる要素(危険因子)に関しても評価を行います。
こんな方におすすめします
・脳梗塞などの脳の病気が気になる方
・脳ドックを定期的に受診したい方
・身近なご家族が脳疾患を患われた方
・アルツハイマーや認知症などの病気が気になる方
無症状でも脳梗塞・脳出血の病変がある方は、将来的に脳卒中を患う危険性が高まることが知られています。
早期に脳病変を発見し、動脈硬化の危険因子を把握することにより、脳卒中の予防対策をいち早く実践することができます。
当院の脳ドックの内容
当院の脳ドックは、日本脳ドック協会が発表している「脳ドックのガイドライン2008」に準拠し、以下のような内容で実施します。
脳卒中リスク因子である成人病や心臓疾患の検査をし、「脳」にかかわる疾患を未然に防げるよう総合的な診察をしています。
問診 |
動脈硬化に関する病気・項目を中心に、ご自身の治療歴や家族歴などについて質問用紙を用いてお尋ねします |
身体計測 |
身長・体重・血圧測定の他、内臓脂肪の指標として腹囲を測定します |
神経診察 |
血糖・コレステロールの値など、代謝機能に関係する項目の他、肝臓・腎臓の働き、貧血の有無などを測定します |
心電図 |
不整脈や心筋虚血、心室肥大などの検索のため、心電図を記録します |
認知機能
検査 |
国内でよく用いられる「改訂版長谷川式簡易知能スケール」
また、世界的に普及している「Mini-mental state examination」を実施し、知能機能の評価を行います。
また、鬱状態の検査も質問形式のテストで行います。
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頭部MRI・MRA |
MRIとは、超電導磁石が埋め込まれたトンネルの中に体を入れて、磁石と電波の力によって体の中の構造を調べコンピュータによって人間の目でわかりやすいような画像に再構成して、体の中を映し出す検査です。
脳内の詳細な変化を評価でき、また、造影剤を投入しなくても脳内の血管の様子を評価することができます。X線検査ではありませんので被爆の心配はありません。
当院ではGE社製の1.5テスラ超電導MRI装置「SIGNA Creator1.5T」を使用しています。
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頸動脈
エコー |
超音波診断機器を用いて、頸部の血管を描き出し、動脈硬化の評価を実施します。
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※MRI検査についての注意事項※
MRIは磁気による検査です。体内にペースメーカー、人工弁、人口内耳、非チタン製の脳動脈クリップなどの金属類が入っている方は磁気による不測の影響があるためMRI検査を受けていただくことができません。
※検査当日のその他注意事項※
検査前の食事制限や絶食は必要ありませんが、より正確に血液検査の結果を判定するため採決は空腹の状態で行うことが好ましいです。
検査前に食事をとって来られた方は、何時間前に食事されたかを採血時にスタッフにお伝えください。
脳ドックでわかる脳の病気、状態
・脳梗塞、脳出血(脳内の細かい血管が詰まっている。あるいは破れている)
・脳動脈瘤(脳出血の一部がこぶ状に膨らんでいる、大きさや形によっては破れて「くも膜下出血」を起こすことがある)
・動脈狭窄(脳に栄養を送る太い血管が狭くなっている)
・脳腫瘍
・脳卒中の危険因子(病気を起こしやすくする要素)
・もの忘れの簡易検査も実施します
脳ドックで判明する疾患について
<無症状性脳梗塞>
脳梗塞の症状は、脳梗塞が発生した部位によって、手足の麻痺、しびれ、ろれつ困難など様々ですが、特に神経の症状を出さない場合も少なくありません。
神経症状が現れず、MRIなどの検査によって明らかになった脳梗塞のことを「無症状性脳梗塞」といいます。
その時点で症状が無くても、脳の動脈硬化がある程度進んでいることを示す所見であり、無症状性脳梗塞があると、将来的に神経症状を伴う脳卒中の発生率が高くなると考えられています。
<脳内微小出血>
脳内を使用するごく細小な血管が破れ、ごく少量の漏れ出た出血の痕跡を指します。無症状性脳梗塞と同様に特別な神経症状を出さなくてもいつの間にか発生しているものがほとんどです。これも動脈硬化の変化を表すサインです。
<血管性危険因子>
危険因子とは、病気の起こりやすさを高めてしまう悪い要因のことで、血管性危険因子とは動脈硬化による病気を起こしやすくする悪い要因のことを意味します。
具体的には以下のような病気・生活習慣が挙げられますが、動脈硬化の進展予防のためにそれぞれの十分な治療や生活習慣の是正などが非常に重要です。
●高血圧
●糖尿病
●脂質異常症(コレステロールの異常など)
●心房細動
●喫煙
●過度の飲酒 など
<未破裂脳動脈瘤>
多くの場合は動脈硬化により、血管の壁の一部がもろくなって、外側にこぶ状に膨らんだ状態を動脈婚といいます。放置しておいても何も問題を生じないことが多いですが、脳動脈瘤が急に大きくなると、神経の麻痺症状が現れたり、血管が破れたりすることがあります。脳動脈瘤が破れると、「クモ膜下出血」という重大な脳卒中を生じます。これらを未然に防ぐために脳外科手術が望ましい場合もあります。特に動脈瘤が大きい、形がいびつといった要素がある場合は慎重な県乙が必要です。
手術をしない場合でも、血圧の管理や定期的な検査が必要です。
<頸動脈狭窄>
脳に血液を送る頸動脈の動脈硬化が強い場合、内部に向かって血管の壁がせり出して、血流の通り道が狭くなった状態を頸動脈狭窄といいます。
将来、脳梗塞を起こす危険性が高くなります。血栓予防剤やコレステロールを下げる薬で動脈硬化の進展を予防したり、程度によっては動脈硬化の部分を手術ではがす治療を受けるほうが望ましい場合もあります。
<軽度認知障害>
記憶力低下など、明らかな認知能力の低下があっても、日常生活や社会活動は維持できており、認知症とは診断されないものの、正常とも言えない、中間的な状態を指します。数年の経過のうちに、アルツハイマー型などの認知症に進展する場合があり、認知症の「予備軍」的な状態と考えて経過観察が必要な状態です。