花に囲まれた療養生活を
「人間が作った建物は時がたつと朽ちていくが、花や木は時間が経っても育っていく。花に緑に囲まれた環境で患者さんにゆっくり休んでほしい」という創設者のねがい。
そんな環境を守るために、今日も職員が精を出しています。
春のスイレン、夏のタイタンビカス、秋のコスモス・・
風にそよぐ花やなるの木陰に、心なごんでいただけるように。
リハビリテーション科は、患者様とのコミュニケーションやリハビリへの意欲を高めていただくために作物を育てています。
カボチャの花が咲き、小さな実がなり・・・植物の成長が患者様の心によい影響を与えることを願っています。
患者様とご家族の安心を守るチーム医療
病院という家庭とは違う環境の中で、安心して生活していただけるように、わたしたちはチームで協力します。医療・看護・介護・福祉 どれひとつが欠けていても安心は満たされないからです。
当院ではチームカンファレンスを必要に応じて行い課題の解決に取り組んでいます。高齢の方に多い嚥下の問題に取り組むNSTチーム、褥瘡予防対策チーム、難病対策チーム(主に外出支援)があります。
退院時カンファレンス、リハビリカンファレンス等は必要時担当者によって企画運営されています。
当院はリハビリ科、栄養科など「横」の連携もスムーズです。
療養生活に彩りを
手作りの食事は、あたたかいものはあたたかく、冷たいものは冷たく温冷配膳車でお届けしています。栄養科と病棟スタッフ、医師が患者様の状態を共有しその方にあったお食事を院内で調理してお届けします。舌触りや、その方それぞれの飲み込む力にも配慮して調理。時には季節を感じていただく小さな短冊を添えるなど心遣いも一緒に届けます。
ベッドから起き上がれない方のもとに、スタッフが手作りの獅子舞や、ハンドベルでお見舞いをすることも。広いプレイルームには、職員が手作りで飾り付け、時には患者様と一緒に制作したもので彩りを加えます。
人工呼吸器をつけている方でも入浴していただけるよう、ミスト浴を含めて数種類の浴槽を備えています。
病と向き合う療養の暮らしに彩りを、日々に豊かさを。当院はさまざまな取り組みを行っています。
ビハーラ室は「生」を重んじる心の現れ
毎年8月に物故者追弔法要を催しています。
お参りになられたご家族の方とスタッフが、「お久しぶりです」と手をとりあって話をしている姿を見て、「ああビハーラだなあ」と感じます。
(吉田善孝事務長/高輪寺住職)
創設者和泉慧雲法師の願いで、当院には玄関から入ってすぐの最も目立つ場所にビハーラ室が設置されています。生老病死、生きることそのものの問いに向き合われた釈尊の教えを身近に感じ、患者様の尊厳を最後の瞬間まで重んじ、ご家族とともに過ごす空間です。
当院にはビハーラ委員会があり26名が仏教行事等の企画をしています。
職種はいろいろ 看護・介護・相談員・歯科・・
仏教行事や法話会を平成2年から毎週水曜日続けています。いろいろな信仰や考えをお持ちの方がいらっしゃるので
館内放送はしません。
自由参加でお気持ちを尊重しています。
また、鐘の音が聞きたいという要望で鐘撞を朝・夕突き、年末には除夜会、年始には元旦会を開催します。
年に一度ビハーラ祭りを開催し、職員の手作り~元少年少女合唱団、カフェなど・・・
リハビリテーションスタッフを中心に、心に寄り添い院内に活気をもたらす催しを開催しています
「一切恐懼 為作大安」これは玄関ホールにかかげている讃仏偈の中の一節です。
「病見て悩めるひとびとのやすらぐ家とならむかな」
病に悩み、苦しみをかかえる人たちの、安らげる家となりたい。
ビハーラの願いです。
青色青光 黄色黄光 赤色赤光
仏説阿弥陀経には、赤い花には赤い色のうつくしさ、青い花には青い色の美しさ。
それぞれの美しさがあるという意味のことばがあります。
その人の存在、その人らしさを重んじること。
ビハーラの願いに通じると思っています
よりよいケアをめざして

当院ではよりよいケアを目指してさまざまな委員会活動を行っています。
看護介護事故を防止する医療安全委員会、コロナを含む感染対策を共有する感染対策委員会、高齢者に多い褥瘡のケアについて栄養面
身体面、看護面と各方面から取り組む褥瘡対策委員会をはじめ、介護者、介護される方両方の負担を減らすことを目指すノーリフティングケア委員会や教育担当者で構成されるプリセプター委員会など、職域を横断した委員会活動を行っています。
また多職種での講習会を実施するなど全員でよりより看護介護をめざしています。